との出会いは、人類にとって極めて重要な出来事であったに違いない。
人類が最初に火を手にした時とまでは言わないが、漆の強力な接着効果や塗料としての類稀なる性質は、人々の“美”への意識をより深いものへと誘った事は確かだ。その証拠に日本の美術史においても漆は欠かせないものであり、広くはアジア諸国の伝統工芸にも類似した技法が見うけられる。現在、私たちが使用している化学合成塗料は、漆の固化メカニズムや塗膜強度、そして何よりその美しさをまねする事で進歩してきた経緯があるが、結果的には進歩とは真逆で、塗料成分や乾燥時に出る物質には地球環境はおろか、人体とってはとても有害なモノとなってしまった。環境問題を考える上でも、漆は原材料から廃棄にいたるまで安全であり、現在のように化石燃料に頼る事なく、天然樹木から採取できることは、環境面から見ても極めて優秀な選択肢なのかもしれない。


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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